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2017-11-09

L friendly Company「ユニリーバ・ジャパン」

私達の生活に欠かせない日用品でお馴染みのユニリーバ。各種LGBTsイベントに協賛をされているLGBTsフレンドリー企業です。そんなユニリーバ・ジャパンのバスマジェ詩織さんにお話を伺ってきました。

Q:LGBTsに関する取り組みを始められたきっかけを教えてください。
ユニリーバがすごく大事にしている価値観のひとつに、「Be yourself(自分らしくいる)」というものがあります。
自分らしくいるってどういうことだろうと考えた時、「果たして今、すべての人が自分らしくいることを体現できているんだろうか?」と思ったんですね。

13人に1人がセクシュアルマイノリティと言われていますが、AB型も13人に1人と言われています。私はそのAB型で、同じ割合(笑)。みんな何かのマイノリティなんですよね。なのに、自分らしくいられない人がたくさんいます。

私のLGBTsの友人の中にも、カミングアウトできなかったり、同性の恋人がいるのに恋人はいませんって言わないといけなかったり…同じ人間なのに、どうしてそんなことを気にしなきゃいけないんだろうってずっと思っていたんです。

その一方で、ユニリーバには当たり前に「自分らしくいられる環境」があります。そのユニリーバから、社会に対して何か働きかけができないかと思ったのが最初です。
何から始めようか考えるにあたり、まずNPO法人ReBit代表の藥師さんにお声がけしました。
実は高校の同級生だったので、とても話しやすく、「何かユニリーバからできることがないかな~と思ってるんだ」というところから話が始まり、どんなサポートが必要なのか、今ユニリーバにあるもので何が足りていないのか、いろいろと意見をいただきました。
それを社内で「ユニリーバ・プライド・ジャパン」として広げていこう、と。

なので、きっかけとしては「すべてのピースが揃ったから」という感じです。
「Be yourself」の価値観が根付いている、友人がカミングアウトしたいけれどできないことで悩んでいた、私にできることは何だろう?!高校の同級生の藥師さんがいる!何かできることがないか聞いてみた、そうかこういうことをしていけばいいのか!じゃあもう立ち上げちゃおう!そんな流れで、「ユニリーバ・プライド・ジャパン」を立ち上げました。

バスマジェさんが発起人だったのですね!
そうですね。元々社内に「何かしたいよね、ユニリーバがやるべきだよね!」という想いはあったんです。
ベン&ジェリーズというアイスクリームブランドでは、ずっとLGBT支援をしていましたし、東京レインボープライドにも出ていました。人事でもLGBTの社員の方への個別対応をしていました。
でも、会社としての大きな枠組みがなく、人事総務本部長も何かもっとできることがあるのではと常々言っていました。そういうことが頭にあったので、今行動できるじゃない!?と、とりあえず行動してみたんです(笑)

日本以外の国の人にも話を聞いてみると、各国で「ユニリーバ・プライド」っていうグループを組んでいるんです。お祭りをしてみたり、おそろいのTシャツを着てみたりしている国が沢山ありまして。
いろんな国がいろんなことをしてるんだ!じゃあ日本もやってみよう!ってロンドンの担当者に色々と聞いて、枠組みを作っていったんです。本当に、全部のタイミングがピッタリ合ったという感じでしたね。

Q:開始時の社内の反応はいかがでしたか?
好意的な声が多かったですね。私が一番嬉しかったのは、ゲイの社員が「この会社に入って良かった!」と言ってくれたこと。
こんな小さなことなのに、形にするだけで「良かった!」と感じる人がいるんだって思ったら、すごく嬉しかったです。
役員も「素晴らしいですね、手伝えることがあったら言ってね!」と言葉をかけてくれました。大半の人がプラスの意見をくれて、本当にいい会社だな!と思いました(笑)

もちろん、2~3人からは「なんでこんな無意味なことをするんだ」という声もありました。でも、ユニリーバでは、個人の考え方を無理に変えることはしません。「気付き」は自分の中から出てくるもので、人に強制されるものではないからです。

カミングアウトについても、したければすればいいし、したくなければしなくていいと思っているんです。
どうしても可視化したい動きになりがちですが、無理にカムアウトさせようとかそういうことではないんですよね。
今は数名がカミングアウトしている状態です。

Q:オーストラリアのベン&ジェリーズが同性婚支援の面白い取り組みをされましたが、ご感想を聞かせてください。
*「同性婚が認められるまで、同じ種類のダブルは禁止」
(http://www.benandjerry.com.au/values/issues-we-care-about/marriage-equality)

すごく面白いなって、何かそういうことをやりたいなあって思いました(笑)正しいと信じることを、ワクワクする方法で行えるというのは、ユニリーバならでは。すごく良いことだと思っています!日本でも、ベン&ジェリーズで、毎年バレンタインに「アイをフェアに伝えよう」をメッセージにしたキャンペーンをしたり、LGBTsナイトを表参道のスクープショップで企画したりしています。

こういう話題って、マジメになりがちじゃないですか、世間において。楽しく取り組もうというよりも、深刻な課題、みんながとっつきづらい課題になってしまって…そこがネックだなと思っています。
そういう中で、食べていて楽しいアイスクリームで、こんな気付きを与えることができる。すごく面白いと思うんですよね。

海外では、他にも面白いことをしています。例えば、カミングアウトデー(National Coming Out Day:毎年10月11日・自身の性的指向や性自認をカミングアウトしたLGBTの人々を祝い、人々の認識向上を目的とした記念日)には、製品のパッケージを真っ白にし、バーコードだけつけるキャンペーンを実施しました。そうすると、バーコードを読み取るまで、何の製品か分からない。
「ね?カミングアウトしたほうが分かりやすいでしょう?カミングアウトするのは怖いことじゃない、本当の自分を出していこうよ!」というメッセージです。
海外でしている面白いことは、日本にもっと取り入れていけたらと思っています。

Q:社内のLGBTsへのサポートは何かありますか?
「企業行動原則」といって、ユニリーバの全社員が必ず守らなければならないルールがあります。その中に、「ジェンダーやセクシャルアイデンティティ、性自認などによる差別は一切禁止」という文言が入っているんですね。
こういうふうに「差別しない!」って明言しなくても「差別などしませんよ」と思っている人が多いと思うのですが、「明文化されていないと少し怖い」という気持ちがある人もいるんだなということに気づきました。
だから、「ユニリーバ・プライド・ジャパン」を立ち上げ、サポートする姿勢を見せていることには、大きな意味があると思っています。

結婚休暇や慶弔見舞金、それからトランスジェンダーの方の手術のための休暇なども、申し出があれば個別案件として対応できますが、それを申し出ることに、勇気が必要だったり、葛藤があったりするんですよね。
今、明文化を進めています。ファミリーデーにも、パートナーを伴っての参加が増えたらいいなと思ってます!

※インタビュー時は明文化されていなかった同性パートナーの結婚休暇・慶弔見舞金およびその親・子への適用、トランスジェンダーの方の手術時の休暇など既に明文化済。

Q:レインボーカラーになっているユニリーバのロゴは、どこの国で作られたものなのですか?
恐らく始めたのはアメリカじゃないかと思います。ですが、この下のキャッチコピー「Let Your Colours Shine」は、日本でつけたものです。
誰もが一色だけじゃない、いろんな色や個性を持っている。それをどんどん社会で輝かせていってほしい!と思いを込めてつけました。
LGBTsとかそうじゃないとか関係ない、自分のいろんな色を出していきましょう!というメッセージを込めました。

Q:LGBTsイベントに参加された感想を教えてください。
「Rainbow Crossing Tokyo」では私も実際に講演をさせてもらいました。当事者の方から、どんなことで困っているのか・就活の悩みなどを聞けたのはすごく良かったですね。
やはり私自身が当事者ではないので、いろんな方に意見を聞かないと何に困っているのかわからなかったりするんです。やはり「声を聞く」事が大事だなと思います。
思い込んでいる部分もあるんですよね。コレで困っているんじゃないかって。でも意外と困ってなかったりして(笑)予想とは違うところで困っていたりするので、もっと意見を聞かないといけないなと思いました。

Q:当事者と実際に接して、印象は変わりましたか?
昔から、周囲にLGBTsの友人が居ましたので特に変化はないのですが、さらに目がいくようになり、自分ごとになりました。
今までは、「友人がそうだから、助けてあげたいな、相談にのりたいな」と個と個の目線で捕らえていたものが、会社の取り組みとして関わっていることで「社会に対して自分に何ができるか」という風に意識が変わり、すごく視野が広がりました。LGBTsに関する事の動きや変化にすごく敏感になりましたね。それはすごく良かったなと思っています。

Q:ユニリーバで働いていてよかった!と思う瞬間を教えてください。
ユニリーバは「環境負荷を減らし、社会に貢献しながらビジネスを成長させていく」というビジネスモデルを持っているんです。
私たちの行うすべてのことが、社会にとって良いことでなければいけない、環境負荷を増やすことであってはならない、という決まりがあるんですね。
そういった中で「仕事を通じて社会を変えられるんだ!」という実感を持って働けることは、すごく幸せなことだと思っています。
「ビジネス」と「社会に貢献すること」って何故か反比例すると思われている方が多いんですよね。社会貢献しようと思ったら、仕事以外の時間を犠牲にしなくちゃ!土日に休む暇もなくやらなきゃ!とか、これだけをしていたらお金にならないから、別にアルバイトをしなきゃいけない!とかそういったことになっちゃってることがあると思うんです。ユニリーバは「ビジネスを通じて、いろんな課題を解決していこう」と、ビジネス自体が社会貢献に直結しているんです。
それはものすごく、社員として喜びを感じる瞬間ですね。

弊社のCEOポール・ポールマン、彼はよく「コーヒー豆になれ」と言うんです。
ニンジンは一見芯があるように見えますが、お湯に入れると、崩れてしまいますよね。卵は柔軟に見えますが、お湯に入れると、固まってしまいますよね。コーヒー豆はたった一粒でも、お湯に入れると、じわりじわりと周りの色を変えていって、美味しい飲み物にしてしまう。しかも、コーヒー豆の形は変わらない。皆そういう人じゃないといけないし、ユニリーバという会社もそんな会社じゃないといけないよと、そういう風に言うんです。
たった一社でも、信念を変えないまま、社会や人を巻き込みながら、どんどんいい社会を作っていこう、って彼は言うんですね。そんな彼の言葉に触れるたび、私はこの会社に入って本当に良かったな!って、自分の信じることを、ビジネスを通じて出来る事はとても幸せなことだと、いつも思います。

Q:LGBTs当事者、特に若い当事者へのメッセージをお願いします。
「自分らしくいる」ということは、自分が一番力を出せる状態なんです。一番力を出せる状態だと仕事のパフォーマンスも良くなるので、周りの人も認めてくれるんですよね。
いろんな声があるし、すごく怖いこともあるし、不利だと感じることもたくさんあると思いますが、確実に!時代は変わってきていますし、これからも絶対に!良い方にしか変わりませんから。
社会を変えていくことは、私たち大人に任せていただいて、「自分らしく生きて、自分らしさをどうやって社会に生かしていこうか」ということを是非、考えて欲しいです!
暗い未来ではなく、明るい未来を想像してください。明るい未来・想像したもの・イメージできたものというのは、八割実現できたも同然ですから!
本当に辛いこともあるでしょうし、大変なこともあると思いますが、今、世の中にはどんどん理解が広がっていて、社会はちゃんと変わりますから。安心して、自分らしく生きてください。
自分のセクシャリティがどうとか、そういったことではなく、自分は何が好きで・何が得意で・どんな風に社会に出て行って活躍していきたいのか。それをたくさん考えて、学生時代を大切に、過ごしてもらいたいです。

キラキラ輝く瞳で、とても力強いメッセージをくださいました。
未来が楽しみになる、そんな気持ちにさせてくれる素敵なお時間でした。
全ての人が自分らしく、輝いて生きていけますように!
バスマジェさん、本当にありがとうございました!


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