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2017-07-13

+friends

L girls + friends

どんな愛もみんな同じ「愛」。あなたに出会って分かったこと。

25年来の幼なじみのじろさん、Mさん、Kさん。

ずっと一緒に過ごしてきたけれど、改めて話をしたことのなかった“打ち明ける側の気持ち”と“受け止める側の気持ち”。

じろさんが自身のセクシュアリティについての悩みや葛藤、友達に打ち明けるに至った経緯と打ち明けられた友人側の気持ちの変化をお聞きしました。

中央:じろさん(38)友達想いで人想い。生きることに情熱的なじろさん。旅するのが大好きで、今まで訪れて一番印象的だった場所はインド。インドでは、濃縮された喜怒哀楽の全てを感じ、生きているってことを実感したんだそう。職業は納棺師。全神経を集中させ、遺族と故人のいいお別れの時間を作りたいといつも思っている。

左手:Nさん(39)トラック運転手。Mさん(38)介護職。お二人は結婚9年目。趣味は旅行で温泉に行くのが大好き。二人の夢は、仕事を引退した後、田舎で暮らして自給自足の生活をすること。仲間と集まってキャンプやホームパーティーをして過ごす時間が何より好き。

右手:Kさん(38)女の子と男の子の二児の母。子供たちの成長を見守りながら、仲間たちと美味しいお酒を飲む時間が何よりの幸せ。将来はみんなに楽しく過ごしてもらえるような飲み屋さんをオープンするのが夢。

●一歩踏み出して生まれた勇気それぞれの想い

じろさん(以下J):MとKは二人とも小学校からの友達です。家がみんな近くて、小、中学校の時からよく遊びました。最初、自分が女性を好きだと気づいたのは12歳くらいの時だったんですが、「自分は他の人とは違う…」と悩みました。誰にも言えなくてただ自分ひとりで悩み、苦しみました。ずっと自分の中でもんもんとしていましたね。
仲の良い友達に悩みを打ち明けることもできず、ひとり思い悩む日々が続いたじろさん。そんなじろさんにある転機が訪れました。
J:知人の紹介でゲイの友達に出会い、彼に二丁目のクラブイベントに連れて行ってもらいました。そこでまったく新しい世界に出会い、自分の他にも同じように同性を愛する人たちがいることを知りました。自分だけじゃないんだって思ったら勇気が持てましたね。それで、彼と出会ったことで自分の考え方や視野が広がって、ふたりに自分のセクシュアリティについて話してみよう!と思いました。

こうして、MさんとKさんに話すことを決めたじろさん。ふたりに話してみると…。
Mさん(以下M):じろのセクシュアリティについて、私は何となく気付いていました。でもだからと言って、特に直接聞いたことはなく、きっとそうなんだろうな~と思っていました。

Kさん(以下K):私も何となく気付いていましたね。ある時期、女の子と付き合っているのかな?と感じたこともありましたし、いつか言ってくれる日が来るのかなと思っていました。

二人は何となく気付いていたそう。それでも、いざ話そうと決めたじろさんはきっと勇気がいったはず。

J:二人に打ち明けてみよう!と思って、まず、Mに電話を掛けました。それまでの言えなかった時間は自分にとってやはり苦しかったし、話をし出したら気持ちが高ぶって号泣してしまったんです。
M:じろは泣きながら、今までの悩みや葛藤を打ち明けてくれました。それまでもじろがレズビアンだと何となく気付いてはいたけれど、本人の口から改めて聞くと、‘ああ、自分もちゃんとレズビアンや同性愛について知ろうとしなくては。’と気持ちがあらたまった気がしました。
K:私は居酒屋に呼び出されて、じろは当時付き合っていた彼女を連れて二人で来たので、その二人から話を聞くかたちになりました。その時パッと思ったのは、初対面の彼女さんにどういう言葉を言えばいいかってことでしたね。自分の言葉で、もし彼女さんを傷つけるようなことがあったら嫌だと思ったことを覚えています。
M:じろが改めて私たちに話してくれたその気持ちが、とても嬉しかったですね。きっと今まで言えなくて悩んだんだろうなとか、言うまで緊張しただろうなとかいろいろと想像しました。
J:二人に伝えられたことで、もうほんとに『無敵だー!!』って思いました(笑)仲良しの幼なじみの二人に言えたこと、やっと打ち明けられたことがまさに100人力で。あとは他の誰に何と言われようともイイ!と思える位、二人に伝えられたことは自分の中で大きかったです。その影響で、その後の同窓会で必要もないのにみんなにカミングアウトしました(笑)二人に言えたことで勢いがちょっとつきすぎましたね(笑)

 

 ●打ち明けてからの変化とこれからも共に歩んでいくこと

二人に打ち明けた後、じろさんはインターネットを通じてL友達とも出会うことができ、自分の世界がさらに広がっていったそう。一方、Mさんは現在の夫であるNさんと出会うことに。
M:私はその頃、Nに出会い、すぐにじろのことを紹介しました。それまでも何度か、じろが男性にカミングアウトする場面に居合わせたことはありましたが、セクシュアリティの話をすると、大抵すぐにSEXについての質問をしてくるデリカシーの無さが私は嫌でした。でも夫は全くそんな話はしなかった。ふつうに聞いていて、それがとても嬉しかったです。彼が私たちの友達関係をありのまま受け入れてくれたので、今でもうちに集まってはバーベキュ―をしたり飲み明かしたり、変わらない関係を築けられています。
J:Nの人柄は私たち仲間にとって本当に大きい。Nのお陰でこうやって今も地元の仲間達と深く繋がっていられていると思います。そして、NとMが結婚し、この家を建てる時に『将来、もしパートナーや家族がいなくて寂しかったら、ここに住めばいいよ』と自分用のロフトを作ってくれたんです。家族のために家を建てることを考えた時に、自分の存在のことも考えてくれたこと。この気持ちは本当に嬉しかったですね。
M:大事な仲間からの愛情で私は自分らしく生きていられていると思っていて。そんな愛をみんながあげたり、もらったりをどんどんしていけばHAPPYの輪が繋がっていくんじゃないかって思っています。じろのことは家族みたいに思っているから、おばあちゃんになって、もしその時に生活に不自由していたり寂しかったりしたら、その時はうちにみんなで住もう!って伝えました。
K:そう!私の家もMの家からすぐそばにあるので、みんなで家族みたいにこれからも一緒に生きていけたらいいなって思っています。

 

●出会いがお互いの考え方・生き方を変えてくれた
MさんとKさんは、じろさんと出会ったこと、じろさんと過ごした時間の中で、物事に対する見方や考え方が大きく変わったそう。
M:もし、じろに出会っていなければ、セクシュアル・マイノリティの人達に偏見を持つことがあったかも知れません。でも、それは単純に、セクシュアル・マイノリティのことを何も知らないからだと思うんです。単純に何も知識がないから受け入れることができないんじゃないかって。同性愛者も異性愛者もみんな同じで、一生懸命恋愛して仕事や勉強もして人生楽しんでいるよってことをもっとどんどんオープンにして周りの人に知ってもらえば、偏見なんか無くなるんじゃないでしょうか。そういう機会がもっとたくさん増えればいいのにと思っています。
K:じろとの出会いやじろと生きてきた中で強く思うのは、みんなが助け合って想いやりをもって、どんな人でものびのびと生きていける世の中にしていきたいってこと。そのために必要なのは、みんながたくさんの人と繋がりを持つことじゃないかなって。お互いになんでも伝え合い、その違いや個性を認めあえる人が増えていけば良いのにと思います。世の中には色んな愛がある。友達の愛、家族の愛、兄弟愛、異性愛、同性愛。自分が本当に相手を守りたいと思っていたら、どんな愛もみんな一緒。どの愛もすべて同じ愛だってことを、皆が理解できればいいですよね。これはじろと過ごしてきた中で痛感したことです。
J:みんなと出会えたことでココロがたくさん自由になれました。受け入れてくれる場所があることで、どれだけ安心感をもらえるか。どれだけ心強いか。中学の頃は喧嘩もしたし、周りの大人が‘友達を大事にしなさい’と言っていた意味。あの頃は毎日一緒に居るのが日常だったから、その言葉の意味がそれほど分からなかったけれど、今は本当に強く実感しています。友達でいてくれて本当にありがとう。これからも死ぬまでよろしく。あ、死後もね(笑)

※完売した「Novia Novia magazine vol.1」(2012年冬発行)のインタビュー記事です。年齢など当時の情報のまま掲載しています。


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