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2010-12-21

L interview vol.9

‘パワーをくれたポジティブなLシーンへのお返しに自分も何かしたい!’と
想いを持って情熱的に話してくれたハリさんのインタビューです。

Girl Data
Name:ハリ
Age:27
Address:Tokyo

Q:趣味はなんですか?

・ファッション全般
・体を動かすこと
・友達と遊んで話しておもいっきり笑うこと
・コンサートに行くこと、音楽鑑賞
・映画鑑賞


Q:何をしている時が楽しいですか?

・友達とおしゃべりしている時、遊んで家に帰って「あ~今日も楽しかった!!」ってベッドにダイブする時!
・コンサートに行って思いっきりはしゃいでる時
・友達や家族、大切な人達の幸せそうな顔を見た時

Q:恋人はいますか?

いないです。

Q:好きなタイプ・恋愛において重視する点は?

好きなタイプ:
思いやりがあって責任感があって、清潔感のある人。包容力のある人。
目力があって笑顔の可愛い人が好きです。メロメロです(笑)

恋愛において重視する点:
信頼できること。お互いを思いやれること。
あとは、一緒に楽しい瞬間を共有できることは大事だと思います。

Q:同性を好きと自覚したのはいつですか?

小中学校の頃から、気になるのは女の子でした。
でも気のせいかなと思い流してなかなか受け止められずにいました。
高校に入って初めて本当に好きだと思える女の子と出会って、とても自然な流れで付き合うことになって。
その時に「あ~、やっぱり私は女の子が好きなんだな」と自覚しました。

Q:同性を好きと自覚して悩んだ時期はありましたか?

悩みはいつもあります。
結婚にしても制度化されているわけではないし、権利も保障されてないのに大丈夫なんだろうかって不安に感じます。
母には高校の時にセクシャリティーを否定されて以来、家族にもやっぱりどこかで壁を感じていて、
でも家族はとても大事なので、それを考えたら結婚しなくてはいけないのかなという思いもありました。

高校の時から「自分が自由に恋愛できるのはあと10年くらいだな」って漠然と考えるようになって…
でも10年たった今、自分の恋愛に対する気持ちは変わっていなくて、女の子が好きです。
変わったことは、この悩みから逃げるんじゃなくて正面から向き合ってみようって思えるようになりました。
悩んで立ち止っているのではなく、そこから一歩でも踏み出せば何かが変わるんじゃないかって。
悩みながら、それを抱えてでも、一歩ずつ進んで、
そこで例えば三歩さがってしまったとしても「一歩進む」ことに意味があるんだと思います。
だから、私は悩みながらも正面から向き合って考えていきたいと思います。

Q:カミングアウトはしていますか?きっかけは?

仲の良い友人にはしています。
自分の大事な部分を隠しておきたくないという思いがあって伝えました。
「彼女」を「彼氏」に置き換えて話すことにも、彼女に対しても自分に対してもウソはつきたくないという思いがあったので。
そんな経緯からカミングアウトするようになりました。

Q:カミングアウトにまつわるエピソードがあれば教えて下さい。

友達に言う時は毎回「もしかしたら、わかってるかも!?」ってドキドキしながら言うんですけど、
みんな「全くわからなかった~!!」って言われてその後は自然に受け入れてくれます。
いい意味で拍子抜けしますね(笑)

カミングアウトした後は、遊ぶ時も恋愛相談したり恋バナしたり、彼女がいる時は「彼女は元気~?」って聞いてくれたりして。
その事にとても感謝して、良い友達を持ったなぁと思います。

Q:初めてL友達ができたきっかけは?L友達の存在とは?

大学に入ってから、二丁目やイベントに行くようになったのがきっかけでL友達が出来ました。
とてもラクというか等身大の自分で、自然体で居られるような気がします。

Lガールという接点で、色んなお仕事をされている方や同年代以外の方々とお知り合いになれるのも大きいです。
その中で恋愛はもちろん仕事や人生であったり、色々な考えを聞けるのはとても勉強になるし刺激になります。
自分を顧みるきっかけにもなる、とても大事な存在だと思います。

Q:日本のLシーンについてどう思いますか?

欧米諸国と比べてしまうと、まだまだ閉鎖的だと思います。
日本でも、LGBTの中でゲイやニューハーフの方はメディアで取り上げられる機会が多いのに、Lはほとんどいないんではないでしょうか?
良くも悪くもメディアが世間に与える影響力は大きいと思っています。
だからもう少しポジティブなLシーンにスポットが当たればLシーン自体も変わってくると思うし、世間の認識も同様に変わるんじゃないかなと思います。

Q:Lガールとして生きていく上で不安な点があれば具体的に教えて下さい。

一番は、日本で同性の婚姻制度が成立していないことだと思います。
私の場合、自分を認められていないように思えて、好きな人と一緒に居ることさえ否定されている気分になります。
この恋愛感情は偽物?本物の恋って何?男女の恋愛だけが正しいの?って。高校の頃はそればかり考えていました。
最近、知り合いのバイの方で「結婚しなくちゃいけないから」と彼女と別れる人も居て、自分も頭の片隅にあることなので切なくなります。
それで幸せになれるならもちろん良いけど、もしそうではないとしたら…。

ただ、この不安から逃げていても何も解決しないので少しでも自分や周りの皆が生きやすいようにならないかなぁって思いながら、
自分にできるアクションを探して見つけて、そして実行していきたいと思います。

Q:今後LGBTがもっと生きやすい日本になるために、具体的にどこがどう変わっていって欲しいと思いますか。

不安な点でも挙げた通り、制度としてLGBTの婚姻やパートナーシップ制度が法制化されることが、昔も今も求められていると思います。
それによって結婚できる同性カップルいたり今までクローゼットにしていた方がオープンに出来たりすると思います。
社会的地位を得るということがどれほど大切かを年齢を重ねていく度に感じます。
同じ国民なのに、認められることと認められないことがあって、それで苦しい思いをする人がいるのであれば、行政も政治家もまずはそこを考えなくてはいけないはず。
何のために人が生きて生活しているのかを、本当の意味で一つ一つの出来事に向き合って考えてほしいと思います。
悩み苦しんでいる人から目をそむけず、どうすれば国民一人一人が幸せになれるのかを考えて、変革してほしいです。

Q:地方出身とのことですが、地方に住んでるLガールズ達に向けて伝えたいことがあればお願いします。

私は地方出身で、ゲイカルチャーが発展している場所に行きたいと思って上京しました。
上京を出来たのはたまたまで、地方にもたくさんのLガールがいらっしゃるのは、地方出身者である自分自身は特に感じます。
地元のL友達が彼女と幸せそうにしている姿をみると、幸せになることに住む場所は関係ないと思います。

だけど地方の場合、L友達や恋人と知り合うきっかけやコミュニティーが少ないのも事実です。
最近ではネットやiphoneのアプリも出来て、知り合うツールは私が地元にいた頃よりも確実に増えています。
そのツールを利用しながら、少しずつ知り合うきっかけを広げて小さな輪ができて、やがては大きな輪になってコミュニティーができればすごくいいんじゃないかと思います。
もしかしたら、とっても近い場所やお知り合いの中にもLガールがいるかもしれません!

Q:結婚(同性結婚・結婚式)についての考えを教えて下さい。

婚姻:男女の継続的な性的結合と経済的協力を伴う同棲関係で、社会的に承認されたもの。
法律上、両性の合意と婚姻の届け出によって成立する。(引用:大辞泉)
「男女」っていう前提が、日本ではスタンダードなんですよね…。
結婚していなければ、マンション購入に始まり国勢調査等の行政の諸手続、相続…
生きている時から死んでしまった後も、挙げればキリがないほどスムーズにクリア出来ないことや認められていないことが多くあります。
同性結婚が出来ればそれがクリアされるのかと思うと、夢のようです。
まだまだ実現されるのは先なのかなぁと思いつつ、実現に向けて自分にも出来るアクションがあればそれはしなければいけないと思っています。

結婚式は今までは興味が無かったというか、自分には無理だから…と思っていました。
でも最近友達の結婚式に招待されるようになって、幸せそうな姿を見ると私もすごく幸せで。
そのお陰で、将来一緒に歩んでいきたい人が出来れば、何らかのカタチで祝福してもらえる機会があればなぁと思うようになりました。

Q:将来の計画・夢を教えて下さい。

将来を一緒に歩いていきたい人が出来て、その人を家族に紹介して、家族として受け入れてもらうことです。
家族が増えるのはすごく嬉しいことで、自分の大切な人同士が分かりあって家族の一員として迎え入れてくれること。
それが一番の幸せですね。

Q:読者の皆さんにメッセージをお願いします。

ご覧頂きましたありがとうございます。
私はレズビアンであることに色んな悩みや葛藤を感じています。
楽しいことはもちろん沢山あって、好きな人が出来れば嬉しいし、L友達と話してる時も楽しいです。
でもやっぱり皆どこかしらに悩みを感じて生活しているんだなと思います。

だけど、悩んでいるだけでは苦しいですし、そこで止まっていても何も解決しないとも感じています。
私は自分に素直に後悔しないように、笑顔のある生活をしたいと思って悩みながらも前に進んでいきます。
皆さんももし悩むことがあって悲観しても、そこから一歩踏み出す勇気を持って頂ければ!
この記事を読んで少しでも感じて頂ければ幸いです。

Q:NoviaNoviaへメッセージをお願いします。

この度はご取材ありがとうございます。
なかなかスポットが当たっていないLシーンに対してポジティブに発信していく力が素晴らしいと思うし、
すっごくお洒落なサイトだなぁと思ってます。
このサイトのお陰で私はとても力をもらったので、今回取材して頂きたいと思いました。
また、他のことでも私に出来ることがあればどんどんチャレンジしていきたいです。

全国の色々な地域で、このサイトをみて勇気をもらったり何かのきっかけになっている方がいるはずです。
その人達がもっと繋がっていけるように、色んな地域に取材に行って頂いて、
コミュニティー作りのきっかけになるような働きかけをして頂ければ、もっとLシーンが広がるような気がします。
これからも、沢山のコンテンツが増えていくことを期待しています!

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